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覇道高校、新撰組! ~真昼の星 第三幕~  
2006.07.06.Thu / 05:19 
何か嬉しい事があったのかと問いたくなるほど異様に晴れ渡っている空。
遥か高みには一匹のトンビがひゅーろろと暢気に鳴き、悠々と泳いでいた。
八神たちは大食堂から出た後、校庭を横断、部室棟を外れ、功刀林を抜けて、今は鬱蒼とした山を歩いている。
二人が手を繋いでやっと覆えるくらいの太い幹、先端が見えないほど背が高い針葉樹林が茂っていた。

「ずいぶん遠いんだね…」
「あはは、そうなんですわ。先輩方、歩かせてしまってすんません。バスは暫くないんですわ。」
「いや、気にしないで。まったく構わないよ。」
空が晴れてて気持ちも良いし、と八神は体を大きく伸ばし深呼吸。
山の空気はほどよく水気があり、清涼。
独特の木や土の香りが鼻腔を擽る。空気が美味しいとはこの事を言うのだろう。
車の音も、学校の喧騒もまったく聞こえない不思議な気持ちもする中、一同は山肌に引かれた一本のアスファルトの道を各々踏み鳴らす。
なかなか角度もあるが、それは山なので仕様が無い。
「うぷ…きぼちわるい…」
風雅を謳歌していた八神の後方から呻きが聞こえる。鮎だ。

机上に臥していた鮎を、「大方、エクレアを咽喉に詰まらせたのだろう。…いつから?はて、半時ほど前だったk…」と言った左蔵を八神が叩き倒した後、八神と剣信(すっかり鮎のことを失念していたらしい)の二人が背中を擦ったり両足を掴み上下に振ったりやなんやらで何とか蘇生させて今に至る。

剣信は負い目を感じているのか、満身創痍の鮎を背負っていた。
鮎は剣信の肩に顎を乗せ三白眼で空中を睨んでいる。
「エクレア怖い…」
「ほう新手の落語かね。此処らで一杯、アイスレモンティーが怖い。はっはっは。」
「うっさいー、しねー…」
いつもの元気が出ないらしく、鮎は左蔵を眇め、何かを投げる仕草をするが徒手空拳なので左蔵には害一つ無い。
「…頼むから動かないでくれ。」
だがその鮎を背負っている剣信には効いているようで、鮎が動く度にバランスが崩れ、たたらを踏む。
困っているような泣き出しそうな表情を浮かべつつ、だ。

「に、賑やかですなぁ…」
「…よく言われるよ。」
八神は先ほどから、とてとてと静かに付いて来るナコトを見つめ苦笑。
「やがみ。どした?」
「ううん、なんでもないよ。ナコトが大人しい良い子だな、って。」
「…あり。がと。」
消え入りそうな鈴の様な声で、頬を淡く朱に染める。

「そろそろ見えてきましたでー。」
落花は道の真ん中でぴたりと歩みを止め、90度右へ回れ。
弾んだトーンで指差す先には、三人が横に並んだらいっぱいいっぱいな道幅の獣道が続く。
示されるその先には乱立した木々の葉に阻まれる中、辛うじて小屋が見えた。


      ■       ■       ■


「へえー、こんな所があったのか…」
踏み固められた獣道を抜けると、左手には切り立った山肌を背に小屋が。右手には大きな広場がある。
広場には木々は一本もなく、薄茶色の地肌だけの空間だった。
地面には傾斜が無い。恐らく人工的に切り開かれた場所だろう。
野球なら優に出きるくらいの、まっさらな地面が続く。
「えへへ、ウチも結構気に入ってますねん。ささ、みなさんこちらですー。」
短く切りそろえられた金色の髪を風に靡かせ、落花が軽やかにステップを踏み、小屋へと向かう。

その建物は近くで見ると、小屋、というよりは大きなガレージの様だった。
太い丸太が積み重ねられて作られており、まるでちょっとした秘密基地だ。
ガレージのシャッターは開け放たれていて中の様子が伺える。
天井は中々高く、二階建てほどの高さがあるが吹き抜けになっていて、二階部分には外周に沿って足場なのか廊下だけが組まれていた。
「ささ、何にもないところですがー」
落花はガレージ一階の奥へと進み、木のテーブルへ八神たちを案内する。
木を輪切りにした円形のテーブルで十人は腰を掛けれる大きなものだ。
「中は結構大きいんだね。」
八神は周囲を見回す。
一階のあちらこちらには何だか解らない機械の部品の山、そして中央には骨組みの飛行機が一機ある。
天井にはランプが幾つも下げられており、そのランプ群を縫うように飛行機の模型が同じく吊るされている。
壁には設計図やら地図、飛行機のポスターなどが張られていた。
落花に勧められるまま、八神は木製のチェアに着く。
同じく「ほー」とか「なんかのアジトみたい!」などと言いつつ、左蔵、剣信、剣信から降りた鮎、ナコトの四人が席に座る。

「安っすい紅茶しかないんですけど、よろしかったら召し上がってください。」
クロスが敷かれたテーブルの上にガラス製のポットが置かれていて、黄金色の液体が占めている。
落花はポットを手に取り、同じくペアらしきデザインのガラスのカップのセットを五式、壁際にある食器棚から出し、こぽこぽと注ぐ。
控えめに金で装飾されたガラスのカップは氷のように透明に澄んでいる。
「ありがとう。いただきます。」
「すまないね。」
「ぅー、ありがとー。」
「…有難う。」
「どうも。」
全員に紅茶が行渡り、一息。
「さ、どうぞ。」
落花の言葉でお茶会が開かれた。
誰からともなく口を付け、そして感嘆の声が上がる。
「ほう、これは美味だ。」
左蔵が珍しく感心した口調で褒める。
確かに香りは薫り高く芳しく、舌当たりもまろやかで砂糖やミルクを入れなくても美味しく飲める。
死にかけだった鮎もちびちびと飲んでいて「生き返るー」などと言っていた。

八神はカップを置き、先ほどから思っていた疑問があったので聞いてみることにした。
「天空橋さん、ここ部室だよね?部員の人は…」
「あはは…部員はウチ一人だけですねん。」
「…一人なの?」
「はい、元は飛行機研究部やったんですけど、去年の三年生方で最後だったらしくて…。廃部になろうかー!って時にウチが入部したんですわ。」
「ふむ、それで同好会、と言う訳かね。」
「その通り、です。ま、学校も大らかで、一人でもやってええ、って言ってくれてますさかいな。気楽にやらせてもろーてます。」
落花は両腰に手を当て、かっかっか、と豪快に笑う。

「そういえば自作飛行機ってさっき言ってたけど…一人で作ってるの?」
八神が驚きの顔で聞くと落花は得意げな顔で鼻を鳴らす。
おもむろに席を立ち、ガレージの中央にある骨組みの飛行機を指差した。
「あれですか?もち、ウチがやってます。…さすがにエンジンは出来合いのをつこーてますけどね。」
苦笑いで頭を掻きつつ着席し、紅茶をに口をつける。
「テスト飛行…とか言ってたけど、それはどこにあんの?」
「あ!」
なんとか回復した鮎が胸を擦りつつキョロキョロとガレージを見回す。
八神はそれを思い出し、
「あの飛行機回収しないと!」
飛行機が緊急着陸した後、操縦席から落花が飛び降りてきて「大丈夫ですか!?駄目ですね!!保健室へ行きましょう!!行きましょう!!」とこちらを肩で背負ってきたのだ。
宥めるのを必死で忘れていたが、あの飛行機は未だ丘の上だ。

「あー、丘のですかー?」
落花はけらけらと笑い、
「大丈夫です。キーは取っておきましたから。盗まれる心配はありません。」
そう言って皮ジャケットの胸ポケットから銀色の鍵を取り出した。
「別に故障も無いですから放っておいてもバクハツしませんしー。」

あれ?
八神は疑問顔になり、落花にもう一度尋ねる。
「…故障で墜落したんじゃないの?」
「あっちゃー、言ってませんでしたっけ…」
梅干を噛み潰したような顔で落花は答える。
言ってもええんかなー、んー、どうしよかなぁー、などと暫く声に出しつつ熟考する彼女。
答えが出た様で落花は神妙な顔つきでテーブルに体を乗り出す。
秘密ですからね、と前置きするので、こちらも緊張が移り固唾を呑む。


「実は………ウチ、高所恐怖症ですねん。」









▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

【あとがき】

雪都「その頃のマイオニーは!」
舞鬼「アメリカ大陸を馬で横断してるよ!」
雪都「ちげーだろwww」
舞鬼「果樹園から出れない件」
雪都「じゃあ、もう本編に出なくてもいいか」
舞鬼「そこの男!失礼(し・トゥ・れい)ィィィィィ~~!」
雪都「ん~~!!…なかなかオモシロかった。かなり大爆笑!」
舞鬼「パクんなー!」
雪都「お前のギャグじゃねぇしwwwww」
舞鬼「マジか!」
雪都「つか、お前のキャラが解んなくなってきた…」
舞鬼「まぁ、元気出せよ」
雪都「よく会長になれたよな…これで…」
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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学
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