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キャスタ×ホリック ~最終話~ 
2006.05.31.Wed / 05:36 
「うっ…んんっ…」
頭に鈍痛が走る。
目を開くと数多の星が見えた。そよぐ風が肌の熱を冷ます。
遠くから波が寄せるかのように葉擦れの音がする。
深い藍色の空に灰色の雲が流れていた。
背中が冷たい。ということは地面に寝ているのか私は。
何故外に居るのだろう?
目の前が真っ暗になってから記憶が無い。
「ポリアンナ?目が覚めたか?」
霞む目を擦ると段々と焦点が合ってくる。
覗き込むようにして誰かが私を見ていた。
「すまない。運び出す最中に壁にぶつけてしまってな。…お前の頭を。」
その人はすまなそうに大きな手で頭を撫でてくる。
ひんやりとした手が気持ちよかった。
暗くよく見えないが目を凝らす。
その顔は見覚えのあるあの人で…
「シュウだ。解るか?」
「い…」
「い?」
「嫌ぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!!!!」
亡くなった筈の先生が居た。


「どうしたものか…」
シュウは自分の血で固められた髪を手櫛で梳きつつ呟いた。
眼下には目覚めたはずのポリアンナが再び地面に臥していた。
「そういえば言ってなかったなぁ…。」
学園内の教師連中には知られて居るシュウの"殺されても死なない"体質。
不死概念の魔術らしいが原因は自分でも解っていない。
物心着いた頃には既にその魔術に罹っていた。
実は『不死』は禁呪指定すらされて居ない。
それは成功例が無い故である。…たった一つの例外を除いてだが。
この体質は別段言触らすものでも無いので生徒らには伝えてなかった事を思い出す。
「学園内では危険な目にはよっぽど遭わないからな。態々死んで見せるのもなんだし。」
なんと無しに独白していると、シュウの背後から草むらが踏みしめられる音が。
星明かりを背に大柄な影がシュウを覆う。
「ウチの学園の生徒を襲うとは舐めた真似だぜ!!デストローイ!!」
聞き覚えのある女性の声。
独特の雄雄しい喋り方は―――
「ベアトリク…」
シュウは振り向きつつ声をかける。
そこには右手を此方に掲げた赤髪の女、ベアトリクスが居て、

"―――三千世界の鴉を殺せ!!"

空間が振動しノイズが奔る。
掌から辺りの闇を悉く裂く光の熱波が幾条にも迸り、直線上の木々と地表諸共焼きなぎ払う。
「てめぇぇぇええええええええええええええええええええ!!!!!!」
本日二度目の絶叫が森林に響き渡る。


          ●          ●          ●


「少しは落ち着いたかな?」
「はぃ…ご迷惑をお掛けしましたわ…」
見渡す限り大木の中、一本の街道が通っている。
空にぽっかりと浮いた月と散りばめられた数多の星が辺りを照らす。
草木も眠る時間、三つの影が街道を歩いていた。
ポリアンナを背負ったシュウと不機嫌顔のベアトリクス、苦笑いを浮かべたアイズの三つ。

「何でテメェが居んだよ…」
ベアトリクスがぶっきらぼうに言う。
シュウはアイズを一瞥。アイズは「行く途中にベアトリクスに言った、何度も言ったよ!」とジェスチャー。
「てめぇこそ俺の顔を確認しても魔術撃つとは大した野郎だな。」
「や、野郎じゃねぇよ!」

先ほどベアトリクスが焦熱概念の魔術を放った後、シュウはポリアンナを片手で掴み受身すら取らずに大跳躍。
間一髪で避けた所にもう一発打ち込もうとしたベアトリクスをアイズが文字通り体を張って止めた。
「一回殺させろ!」と喚くベアトリクスの声で目を覚ましたポリアンナがシュウの腕の中で暴れるという大惨事がつい先ほどまで起こっていた。
そんな光景を精鋭部隊の他メンバーが微笑ましく見つめつつ事後処理を買って出てくれた。(恐らく厄介払い)
今頃は伸びている子分どもや、分子崩壊概念の魔術で脅したら失神した頭領も警察へ引き渡されているだろう。

シュウは背中から擦り落ちそうになったポリアンナの位置を正し、
「言わなくてすまなかったな。驚いたろう?」
「はい…今もまだ少しびっくりしてますわ…」
負ぶさったポリアンナは目を閉じシュウの背中に額を当てる。
「…でも、良かったです。生きてらっしゃって。」

静寂。
重苦しい空気ではなく、ゆったりとしたものが流れる。
暫し間を開けシュウが躊躇いがちに口を開き、
「ポリアンナ、試験は残念だった。それと…学園を出るほどキツイ言い方をしていたとは思わなかった。すまない…。」
悔いるように告げた。
ベアトリクスとアイズがポリアンナに目を向ける。
彼女の顔には―――疑問符が浮いていた。
「…なんの事を仰ってますの?」
聞き返されたシュウにもクエスチョンマークが伝染する。
「いや、俺が "実践" 経験が足りないときつく言ったからお前は…」
「ですから "実戦" 経験を積むために郊外に出たのですわ。」
まさか誘拐されるとは思いませんでしたの、ごめんなさいと付け加える。

「…意思疎通がなってねぇなぁ、クソ教師」
「原因は君だね…シュウ」
「えっ?えっ?…なんですの?」

シュウの歩みが止まる。
涼風にゆれる木の葉の音を感じつつ視線を空に上げた。
浮かぶ月はため息をつくほど美しく、星は相変わらず眩しく輝いていた。




~エピローグ~

とある部屋。
様々な大きさの書物が本棚を超え、床にも積まれていた。
窓からは顔を出しかけた太陽が覗ける。
金属音が鳴り真鍮のドアノブが回る。樫製の扉が開いた。
スーツを着た目付きの鋭い男が千鳥足でベッドへ近寄り―――そのままうつ伏せに倒れ込んだ。
「疲れた…」
切れ長の目をゆっくり閉じ様とした時、黒い塊が目の前を横切った。
真っ赤な瞳をもった黒ウサギが首を傾げ顔を伺ってくる。
「インレ…起きてたのか。…人間体にならないのか?」
黒ウサギは首を左右にふるふると振り否定を表す。
「ふんっ…何言ってるか解らん…。」
男は短く嘆息。そのまま呟く。
「ポリアンナは助けた。無事だ。たくさん…たくさん…お礼を言われた。」
黒ウサギがその場で一度跳ねた。
「やはり原因は俺だった。予想してたのとは少々違ったがな。……俺は教師に向いているのだろうか。」
男はベッドの上を転がり仰向けになる。天井を見つめてから長い息を吐く。
一言毒づいてから両手で顔を覆う。
黒ウサギは男の傍まで飛び頬を舐めた。
「くそっ…慰めはいらん…」
男は半回転し、黒ウサギに背を向ける。
「…お前も早く寝ろ。体に障るぞ。俺は寝る。」
黒ウサギは枕の横で丸くなった。
暫くして、二つの寝息が部屋に溶ける。




▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

【あとがき】

雪都(以下、雪):終わったね…
インレ(以下、イ):終わったっスね…
雪:ちょっと強引になっちゃったなぁ。
イ:明らかな力量不足っスよ。
雪:あるある。つか、毎日書いてみたんだけどあれだね。
イ:なんスか?
雪:前日のを読み返すと「あー!ノリで余計なこと書かなければ良かった!」って思い直すんだよ。
イ:なんでマスターは天井を吹っ飛ばしたのか謎っs
雪:めっ!俺も今は改訂したくてしょうがない。見張りどもは別に外に置いておいても良いs
イ:めっス!凹むと際限ないからこの辺に!
雪:ポリアンナももっと良い子なんだけどね。先生大好きっ子なんだよ。そこら辺をもうちょっと表現したかったなぁ…。
イ:いつか始まる続編に書けば良いっスよ。
雪:アイズやベアの使い魔も考えてるし、生徒諸君も出したいしなぁ…。
イ:キャラ設定も良いっスけど、ちゃんとストーリーも考えましょうっス。
雪:ごめんなさい…。
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テーマ:ファンタジー小説 - ジャンル:小説・文学
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