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キャスタ×ホリック ~六話~  +人物紹介 
2006.05.29.Mon / 03:03 
町外れ。
鬱蒼と繁った木々、葉の天蓋から僅かに除く空は薄い藍色。
森に一本の舗装されていない道が伸びていた。
そこに小奇麗な軽装の辻馬車が走っている。
時間帯が半端なため客は一人。
「止まってくれ。ここで降ろしてくれるか。」
そのたった一人の客。目付きの悪い二十歳前半の男が後部車両から顔を出す。
上下一式黒ずくめのスーツに身を包んでいる。
声を掛けられた中年の御者は恐る恐る聞き返した。
「本当にここで良いんだか?まぁ、料金は貰ったから構わんだけども。」
御者は前方を走る一頭の栗毛の馬に繋がれた手綱を引き、徐々にスピードを落とす。
見回しても樹木しか見えない街道にやむなく馬車は止まった。

目付きの悪い男、シュウは黒い皮製の鞄を左手に提げ馬車から降りる。
スーツの襟元を直しつつ街道から逸れた何も無い森へ入ってゆく。
「お客さん、何をするかは知らんけども気ぃつけなよ?」
ありがとう、と男は振り返らずに言い、空いている右手を掲げる。
中年の御者は顎に蓄えた髭を撫でつつ、疑問顔でまた馬車を走らせた。

       ●       ●       ●

シュウは短刀を取り出し、足の脛辺りまで伸びた草むらを薙ぎながら進む。
日が落ちかけて周囲が暗くなるにつれ悪態づく回数が増える。
「そろそろ見えるなり着くなりしても良いんだがな。」

そう呟いたときに前方に僅かに建物が見えた。
土壁で作られた家で、一見廃墟の様だが窓から煌々と洩れる光が有人だと主張する。
「待ちなテメェ…何モンだ?」
自動小銃を脇に構えた肌の浅黒い男二人にシュウは挟まれた。
草むらで足音を立てずに寄ってきたことに軽く賞賛し、両手を挙げる。
「オルムズド大学園の者だ。交渉に応じに来た。生徒が世話になってるらしいな。」
二人のうち、痩躯の青年が応える。
「あぁ…あの嬢ちゃんか。中々上物だよなぁ?良い具合だったぜぇ。」
青年はもう一人の小太りの男と下卑た笑いを浮かべる。
シュウは眼を細め弓形に変え、口角は仄かに上がる。
「…よく聞こえなかった。もう一度、言ってみろ。」
穏やかな調子だが、明らかに声には怨嗟が篭っていた。
黒真珠の様な眼が刃物のような鋭さでゆっくりと両者を射る。

男達の笑いは止まり顔色が蒼白に染まる。
痩躯の青年が狼狽し応え、
「じょ、冗談だって。どうせこんな条件を飲むとは思ってなかったしよぉ、そんならそれで売り払っちまおうと思ってた所だ。傷物になんかしやしねぇよ。」
「…早く案内しろ。」
「お、おう、そっちだ。」
いつの間にか下げていた小銃を再び構え直した男二人は、シュウを先頭とし廃墟へと進んだ。

       ●       ●       ●

廃墟。広さは一辺40メートルほどの正方形の大部屋が一つ。
部屋と言うには語弊があるか、天井や壁には所々に大小様々な穴が開いていて、室内から星やら木々やら観察できる。
建物は二階建ての吹き抜けになっており、一階部分には丸テーブルと椅子が並べられている。二階は二段ベッドやら武器類、貨物が押し込められていた。
どこか西部の酒場を思わせる。
各テーブルには男らが集う。二十人は居るだろうか。
そこでは宴が開かれていた。

盗品の成果を見せ合い自慢する者や、
ぶどう酒を樽ごと飲もうとする完全に酔いつぶれている者、
下品な話をし、野太い声で笑う者など多様に盛り上がっている。

宴も酣といった頃、そこに闖入者が現れた。
開放式の扉の前には自動小銃を掲げた男二人と黒い鞄を携えたスーツ姿のシュウ一人、計三人。
「頭領、ガッコのセンセが来ましたぜー!」
二人の内、痩躯の男が声を張る。
騒ぎが一瞬止み、また新しい騒ぎが生まれた。
部屋の中央、一際大きな丸テーブルから体躯のがっちりとした大柄の男が立ち上がる。
歳は五十を越えたくらいか、縮れた黒髪に白髪が幾本か混じっている。
顔面に刻まれた皺は深い。
歳の割りには筋肉質で身長は長身と言われるシュウより頭一つ分は高いか。
肩を揺らしふらふらと入り口へ歩いてくる男、頭領なのだろう。
表に着く頃には既にざわめきは止んでいた。

「若けぇの、お遣いご苦労だなぁ」
太い声が深とした廃墟に響き、周りから僅かに笑いが洩れる。
その笑いを手で制止し、続ける。
「さすが学校だよなぁ、吹っ掛けてもホイホイ出しやがる。…おっと魔術は使うなよ?使った途端嬢ちゃんには死んでもらう。」
頭領がシュウから見て左を指差す。
視線を向ければ部屋の一角に轡をされ荒縄で縛られたポリアンナや数人の女子供が居た。
横には連射式長銃を構えた賊三人が警戒をしていた。
ポリアンナは目を見開きうーうーと唸っている。
遠目に捕われた人々に外傷が無いことを確認し一先ず安堵するシュウ。

「おい先生よお、ちゃんと金は持ってきたんだろうな?…おい、確かめろ」
頭領がシュウの左右に居る青年と小太りの男に告げる。
はっ、と二人は敬礼しシュウが持つ鞄を恐る恐る奪い、開け―――

「何も…入って無いですぜ…」

廃墟が静寂が訪れる。
破ったのは怒声を帯びた頭領だった。
「ふざけんじゃねぇぞ!!何も入ってねぇとは何なんだ!?あぁ!?」
忌々しげに眉を寄せ、うんざりとした表情でシュウは、
「金よりも良い物だ。人質を返せば、お前らの命を取る事はしない。」
再び静寂。

何処からか失笑が洩れ、それが段々と広がってゆく。
仕舞いには二十人全員の男が笑い出す。
頭領も大口を開け腹から響く呵呵大笑。
一頻り笑った後、目元を拭い
「おい、若けぇの、笑わせてくれるなよ。………やれ。」
指を鳴らすと男供が一斉に立ち上がり各々の銃を抜き―――撃った。

数えることもままならない程の火薬の破裂音。
一連した音にすら聞こえる連射にシュウは穿たれた。
左肩に当たり、よろめいた時には右膝に当たり崩れる。
その後豪雨のような弾に頭蓋が右半分飛び、指が何本か無くなり、あとは打ち抜かれるがまま。
まるで襤褸布のよう。
「もういい!てめぇら止めろ!」
頭領が片手を挙げると発砲はぴたりと止まった。
入り口には数多の穴が開きシュウだったものから徐々に赤い池が広がる。
「おい、目障りだ。それ外に捨てとけ。」
頭領が中央のテーブルへ戻り、また主演は再開される。
下っ端と思われる男数人が処理に当たる。

ポリアンナは目を閉じたまま壁に寄り添い、気絶していた。



       ●       ●       ●


「インレちゃん?ちょっとこれ教えてー。」
「はいはい、ちょっと待つっス。」
小さな、とても小さな具体的に言えば五人が辛うじて入れるような教室にインレは居た。
生徒用の机は四つあり、一つは空席だった。
インレは一瞬目を向け暗い顔をし、
「どうしたの?」
「あ、あはは、何でもないっス。で、何スか?」
「えと、ここのね?」
ふっくらとした女の子が本の一節を指差した時、教室の扉が叩かれた。
「シュウかインレちゃん、居るかい?」
「はいはーい、今開けるっス」
インレは女の子に待ってて、と断りを入れドアを開ける。
先ほどシュウの部屋に訪れたアイズが立っていた。
「アイザックさん?どうしたんすか?」
アイズは軽く挨拶をし、部屋を見回す。
「…廊下で話そう。」
すまない、インレちゃんを借りるね、とアイズはシュウの生徒に言い、廊下へ出た。

「やっぱシュウは…行ったのかい?」
「あはは、そっす。」
頭を掻きつつインレ。
アイズは苦笑。
「やっと意見が纏まったよ。少数精鋭で一気に叩くことになった。」
「あっ…でも…」
「まぁ、着く頃にはシュウが制圧してるだろうね。」
「…だと思うっス。」
二人ともクスクスと笑う。
「いや、マスターはホント強いんすよ!?」
「解ってるよ。学生時代嫌と言うほど思い知ったしね。」
アイズは目を閉じ、目の端にはうっすらと涙が。
ぶるぶるぶると震え、やがて止まった。
「でも、アイツは無謀なことするからなぁ…。万が一が無ければいいけど。」
呟くアイズにインレは胸をどんと叩き、
「それこそ問題無いっす!マスターはやられるハズ無いっすから!」
自慢げに言った。

でも、とアイズ。
「不幸にも…その精鋭部隊にベアトリクスが居るんだよね。まぁ、オレも医療担当として行くわけだけどさ。」
「えっ…ベアトリクスさんは…」
「あぁ、シュウが単身先行してる事は知らないだろうね…。」
沈黙。

「マスターをくれぐれも宜しく願いします!」
インレはアイズに深々と礼をした。




△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

よし、描いてみたよ。暫定的イメージね。でも、ほぼ確定。
紹介といってもネタバレは書きたくないので、かなり端折りモードで。

20060529023537.jpg

【シュウ】
ゴメン、シュウちゃん殺した。
いや、最初から考えてたんよ。
あれ?メガネかけてんじゃないの?と思ったアナタ、ごめんなさい。
最後にメガネを描こうと思ってたら忘れたまま保存してた。
でも、この方が格好いい気がしたからこっちにします(ひ



20060524050310.jpg

【インレ】
以前張ったけど、紹介ということで再貼り。
説明する機会を失ったんですが、シュウの使い魔。
名前の元ネタが解るともうどうしようもないので調べないで下さい(ひ
まぁ、ググっても先頭に出ないから大丈夫かwww



20060529023557.jpg

【ベアトリクス】
熱血キャラは好きだけどゴツイ男は描けないんですよ!
じゃあ熱血女ということにしちゃえば良いじゃない!というコンセプト。
片目が隠れた長身の女キャラとして描いたんだけど…あれれ?
これなんてアビスのメロンさんですか?(ひ



20060529023614.jpg

【アイズ】
本名:アイザック。
仲の悪いシュウとベアトリクスの仲介役。
こいつの専門分野からするとメガネが超似合うと思い直し、メガネっ漢(こ)になってもらいました。
シュウより似合うよ、うん。



20060529023631.jpg

【ポリアンナ】
シュウの生徒の一人。
今回誘拐されちゃった人です。
まぁ、お察しの通り次の話で助かります(ちょ




これでも一時間ぐらいかかった。
下手でスマン。練習しとく。
流石に色付けると+2時間はかかるので勘弁してくださいですYO。
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COMMENT TO THIS ENTRY
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プロジェクトきたこれwwww
早速掲載させていただきました。

あんま上手くないですよー。
あとで読むとあまりの駄文に悶えてますし。

堅苦しい漢字は少しだけ入れていこうかな、と思ってます。
そういうのがあるとなんだかそれっぽい文になるない、と(ひ
本当の目的は自分の語彙増やしですねww

自分で書いてると脳内保管があるので、
ついつい省いてしまうことが時折。
気をつけますね。

- from 雪都 -

----

はてはてはて
ちょ・・・
ごめんシュウちゃん殺したって・・・
がーんΣ(・ω・;|||

絵を描きおったね
それじゃ我がプロジェクトを遂行するしか・・・(ぁ

さすが旦那表現がうまいな
そして読めない漢字が多い
だがそこがいい

今回のは特に読みやすかったですよ
想像しやすかったしね

続きが気になるのでよろしく

- from らら -

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