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キャスタ×ホリック ~四話~ 
2006.05.27.Sat / 06:24 
翌日。
書物がうず高く積まれた小部屋にシュウとインレは居た。
見回せば本の海。様々な高さの本の塔が床に幾つも聳える。
天井に採光の為に填められた窓からは夕日が覗く。
シュウはこれまた腐海と化している木製の大型机の前に座り何やら作業中。
インレはと言うと、しわしわのシーツのベットの上に丸くなり寝ていた。

「よし、インレ起きろ。最後の授業へ行くぞ。」
机上に出ていた書類を掻き集めバインダーに挟み閉じながら、シュウは言う。
少女の姿をした使い魔のインレがむくりと起き上がり眼を擦る。
「もうボク食べれないよ…」
「それ、すっげぇ頭悪そうなセリフな」
少女は両手を組み頭上へ掲げ伸びの姿勢。
くぁ、と欠伸を噛み締め暫く停止。そのまま倒れる様にベットへまた顔を埋めた。
シュウが厭きれた表情でため息一つ。眼鏡の位置を直し、今まさに怒鳴ろうとしたとき―――

「おらおらぁ!居るのは解ってんだ!速やかに開けやがれ!5秒だ。いや、めんどくせぇ3…2…1…」
「シュウ、居留守はしない方が良いよ。さもないと君の部屋が文字通りなくなると思うから…。」

猛々しい女の怒声と飄々とした男の声がドアを隔てた先から聞こえた。
樫作りの扉が強烈な力で叩かれ早くも限界の悲鳴を挙げている。
そして突如嵐のようなノックが止み、部屋から足音が遠のいてゆく。
なんだブラフだったか、とシュウが一息つくと―――

「よーし、おめざの時間だぜ」
「オレは見ていることしか出来ないのかっ…!」

廊下から凶悪な攻撃魔術が編まれているのを感じた。
規模からすればこの教員塔のフロア一階分は優に消し飛ぶだろう。
「解った解った!今すぐ開けるから一先ず落ち着けぇー!」
シュウは有らん限りの声を上げ答えた。
なんとか相手にも伝わったらしく、魔術構成が止まる。
舌打ちを一回。ドアへ駆け寄りつつ、ふとベッドに目を移す。
インレといえば既に―――熟睡していたのでシュウは蹴りを入れた。
「あいったぁ!子供出来なくなったらどうするつもりだよ!」
というインレに知らんと即答しつつ扉を開錠、そして開く。

廊下には二人の男女が立っていた。
女性は二十歳前半の妙齢の女性。
背はかなり高く大柄。長く伸ばされた赤髪は後ろに流されている。
瞳の色は燻った、だが決して消えていない炎を思わせる。
その濃い琥珀色の瞳の片方は前髪で隠れている。

その横に居る男も二十歳そこら。
中肉中背で短く切られた濃緑の髪。
飄々とした声に違和感が無い、これまたのんびりとした顔。
二人とも濃い紅蓮色の教員ローブを着込んでいる。

「ベアトリクスにアイズか…で、何で俺は強襲されてんだ?」
シュウが半眼で二人を睨む。
ベアトリクスと呼ばれた大柄の女の片眉が上がり息巻く。
「こんのクソ教師!緊急会議だとさっき召集があっただろうが!」
「…そういえばそんな気もするな。だが俺は授業のほうが正直大事なんだが。知ってるだろ?なんせ俺のクラスは―――」
あっけらかんと返すシュウが癇に障ったのか、さらにベアトリクスが言う。
「ホント厭きれたヤツだよ!議題知ってるか!?知らねぇだろうなぁ、てめぇの生徒が誘拐されたってのに暢気に授業の用意してやがるヤツはよ!!」
シュウの顔が一瞬強張る。だがすぐに戻った。
「冗談にしては最悪だな。」
その言葉を聴き今にもシュウの胸倉を掴まんとするベアトリクスをアイズと呼ばれた男が止める。
アイズの顔は至って真剣そのもの。
「残念ながら真実だよ。ポリアンナ、君の生徒だろう?今日……見たかい?」

「………。」
シュウは無言。
「先ほど脅迫状が学園長宛に着てね。もう既に会議は始まっている。」
「だが学園内に居るのに誘拐なんて…」
「中ならばな!」
ベアトリクスが怒気を含んだ声で呶鳴る。
まぁまぁ、とアイズが宥め先を続ける。
「早朝、寮から出て行くのが目撃されてる。何か心当たりはないかい?」
気づかない内に、すぐ後ろに来ていたインレは顔を伏せている。
シュウも黙りを決め込む。
今は原因の問題じゃないな、とアイズは続け、
「どうやら街を出た先で誘拐されたらしい。…賊にね。」
「だっからウソじゃねぇって言っただろうが!おら、会議行くぞ!」

シュウの腕を強引に引っ張り連れて行こうとするベアトリクス。
だがその手は叩かれた。
思いもしなかった行動にベアトリクスはやや狼狽。
だがそれも直ぐに収まり意志の強そうな眼を細め問うた。
「―――どういうつもりだ、クソ教師。」
「どうもしねぇさ、アホ教師。俺は行かねぇよ。」
シュウの言葉にインレは眼を見開き、ベアトリクスは激昂、アイズは厭きれた顔でため息。
三者三様の反応を見つめつつ、
「もう良いか?俺は生徒を待たせるのが嫌いでね。はっきり言うと…そんなこと知ったこっちゃ無いね。」
その言葉に一番に反応したのがインレ。
シュウの腕を力強く掴み、思い切り引っ張る。
顔にはやや涙を浮かべていた。
「そ、そんな事ないよね!?助けに行こうよ?ね?ねぇ…行こう…?」
シュウは不快な顔をし掴まれた腕を振り払う。
眼鏡の位置を直しつつ、
「…使い魔が主に意見をするなよ。」
一瞥しただけで殺せそうな冷酷な眼で見下ろした。
インレはびくんと震え、俯き黙り込む。

「あー、駄目だ。こいつはクソ以下だ。一人の生徒の命よりも授業が大事ってか。…頭沸いてんじゃねぇのか?」
「沸いてんのはテメェだ。さっさと会議行きやがれ。俺は用意があんだよ。出て行け。即刻出て行け。」
「気にいらねぇとは思ってたけどよ、ここまで最低だとは思わなかったぜ。」
汚い物を見るように眇めるベアトリクス。
一切のやり取りを見ていたアイズがやれやれとジェスチャーし嘆息。
「…君は変わったね。」
「お前は変わらないよな。」
皮肉げに返すシュウ。アイズは少し笑い、直ぐ無表情へ戻す。
「賊は、かのテロ集団『ヴァンパイア』だ。このままだと彼女は死ぬぞ。それでもオレ達と来ないのか?」
「愚問だ。」
「このままじゃ、若年で立場が弱いうえ給料が安いこのオレが、単体で身代金を奴らのアジトに持っていかなきゃなるだろうなぁ…君に助けて欲しいなぁ…って言っても?」
「…くどい。」
呆れ顔でアイズを見るシュウ。

「アイズ、もう放っておこうぜ…。トサカ来た。」
言うや否やそのまま振り返るベアトリクス。
肩を怒らせ廊下を歩き出した。
「そういう事だ。精精会議頑張ってくれ。オレは用意があるんでな。」
ぶっきらぼうに言うシュウ。
目の前に居るアイズにも離れていくベアトリクスにも眼もくれず、インレを連れ自室へ戻るシュウ。
扉が閉められる。



一人廊下に残された男、アイズ。
ゆっくり顔を上げ天井を見つめる。
「ベアトリクス用の鎮静剤でも作っておくか…」
そう呟き、会議室へ向かった。





△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

次で終わるかな、かな?

そういえば撮り溜めしてたアニメ版ひぐらしを観た。
まだ全部は見てないけど、中々雰囲気出てて良いと思ったさ。

声もあんま違和感ないしね。
つか、一話から飛ばしてんなぁ…レナ怖いよwww
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