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キャスタ×ホリック ~三話~ 
2006.05.25.Thu / 05:05 
部屋の整理に三十分費やした。
拡散した書籍は応急処置として隅に積んでいる。
本棚は三人がかりで元に戻すことに成功した。
功労者(半強制的)のインレは部屋の主、ポリアンナのベットで疲れ果て寝ていた。

大きく開け放たれた出窓からは霞掛かる堰月がよく見えた。
遠方には峻厳なる山脈が並び、視界一面は樹木で覆われている。
春ということもあり、微かに吹く清涼な夜風が心地よい。
深々とした中、時折気の早い鳴く虫が歌う。

ポリアンナは椅子に姿勢良く座り深呼吸。
息をするたびに僅かに上下する細い肩にシュウが手を掛ける。
頬は薄く上気していて、風呂上りなのか芳香が漂う。
「準備は出来てるようだな。始めるか?」
少々躊躇いがちにこくんと肯くポリアンナ。
淡く灯るアルコールランプが彼女の白い肌を橙に照らす。
シュウは少女の肩にかけた手をゆっくりと下ろし口を耳元に寄せ呟く。
「制限時間三十分、筆記テスト開始だ」

         ●         ●         ●

「殿がご乱心じゃ!」

文字通りハンドスプリングで天蓋付きのベッドから飛び起きるインレ。
その音声に今まさに起こそうとしていたシュウが停止する。
主のドン引きっぷりにインレは頭を掻きつつ苦笑い。
「…ボク、何故か遥か遠きアマツの家老になってましてね。そこの殿が無類のメイド好きでして…」
「聞いてないし聞きたくもない!…筆記が終わった。採点を頼む。」
言ったと思えば何やら床に白墨で文様を書くシュウ。

了解、とインレは開いた手を額につけ敬礼。
こちらもまた苦笑いして用紙を差し出しているポリアンナにインレは先ほどの夢の続きを語り、またシュウに咎められた。
渋々顔でテストの採点をする。
「第一問、ね。『魔術行使する際、呪文を詠唱する場合とそうで無い場合では効果に大きく差が出る。』答えは『○』となってるっスね。直すなら今っスよ?」
藪睨みでポリアンナをじっと見つめねインレ。
突如始まった絡みにポリアンナは焦燥し視点が右往左往しだす。
「えっとえっと、確かそれで…」
「おい!俺の生徒を苛めんなよバカが!」
とシュウは床から身を起こしインレを再び咎める三回目。
白墨を握っていた手が白く汚れているのを気にしつつ、
「初歩的な問題だ。ぶっちゃけ詠唱なんぞしなくても魔術は撃てる。だがやはり術者本人の気持ちの問題もある。自分が魔術を行使していると自覚出来る詠唱をするのが今では通説だ。よって答えは『○』正解だ。」
ローブで粉を拭い、また床に文様を描く作業に没頭するシュウ。
まだまだ遊びたかったインレだが真面目に採点することに決めたようで、
部屋には正解、正解、んー、おまけで正解!と木霊していく。


「よし、出来た。」
シュウは白墨をポケットに仕舞い粉で白くなった指をローブで拭う。
足元の板張りの床には半径一メートルほどの複雑に装飾された円が描かれていた。
インレも丁度作業を終えたようで、赤い丸が付いた用紙を差し出す。
「採点終了しました!一問ケアレスがあった以外間違いは無いであります!」
ほう、と感嘆。
手を顎に添えつつ受け取った紙に眼を通すシュウ。
椅子に座ったまま上目で見つめてくるポリアンナに言う。
「合格だ。よく勉強したな、偉いぞ。」
と微笑みポリアンナの頭に手を乗せる。
頬に朱を点しているのを見てインレがいいないいな、と囃し立てた。

「さて、ラスト試験。実技だ。」
と言うとシュウは先ほど描いた円陣へと移動。
何やら呟くと上に向けた手の平に拳大の火玉が発生する。
煌々と赤く燃える炎を掲げ、インレにそれを投げつけた。
ひぃ!と声を挙げ飛びのくインレには届かず、炎は掻き消える。
「このように、どんな魔術を使おうと暴発しようと陣より外には出ない。思う存分やってみろ。」
恨めしげな顔で低く唸っているインレを差し置いてシュウはテスト内容を告げた。
呪文は何でもいい。先ほどの『火炎』を出せ、と。

ポリアンナは陣へ入り眼を閉ざす。瞑想しているのだろう。
精神統一に邪魔にならぬよう、シュウとインレはベッドに腰掛けて様子を見守る。
静寂が支配する雰囲気に流石のインレも固唾を呑み大人しくしている。
黙っていればいい子なんだが何処で教育を間違えたのやら、とシュウは呆れ顔で思ったとき、
「行きますわ。」
眼を開きポリアンナは告げた。
両手を腰の高さで何かを掬うように合わせる。
深呼吸をし、少女は詠唱した。

『――燃えなさい』

凛とした声が静寂を破る。
両手に火花が散り、球形の炎が発生し宙を一回転。
炎は激しく燃え上がり薄暗かった部屋を真っ赤に染め上げ―――爆ぜた。
数秒も続かなかった事にポリアンナは焦りもう一度詠唱を試みる。
だが今度は火花が散るだけ。発火までは至らず。
信じられないと言わんばかりの眼が見開かれた表情。
幾たびも呪文が唱えられるが、それらは唯虚空へ溶けてゆく。

「もういい。試験終了だ。」
シュウから冷酷にも告げられる。
ベッドから腰を上げ眼鏡の位置を直す。
「わ、私はまだっ…」
「ポリアンナ、挑戦するのはとても良い事だ。だが残念ながらこれは試験なんだよ。」
先ほどの筆記試験の書類を見つつ、言う。
「筆記は眼を見張るものがある。だがお前はその知識の実践経験が圧倒的に足りないんだ。」

シュウはポリアンナの頭を一撫でし、扉の前へ移動。未だベッドで俯いているインレを呼び付ける。
先に部屋から出し、ポリアンナに言葉をかけた。
「その魔術陣は残しておく。知識を実践段階に持って行け。今は足掻く時期だ。…だが今日は休めよ。」
「アンナちん!焦んないでね!ゆっくり、ね!?」
首だけ出すインレをシュウは廊下へ押し出す。


そして扉が閉められた。部屋には静寂が訪れる。
中央には一人、少女が立ち佇んでいた。
「経験が足りないなら補うだけです。頑張りますわ、私…。」
ポリアンナの瞳に光が宿る。




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今日はつよきす~Mighty Heart~の発売日。
それと、隕石で世界崩壊の日ね(ちょ
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COMMENT TO THIS ENTRY
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個性的か…
うれしいような悲しいようなwwww

ある程度設定考えるとあとが楽ですよ。
インレは僕も好きですwwwww

- from 雪都 -

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ほほ
キャラが個性的でいいのぅ
だんなは
いやキャラ設定を考えずにはなしだけ考えてはじめちゃう私が悪いんだが・・・
インレのあほさが好きよ(*´∀`)

- from らら -

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