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覇道高校、新撰組! 第十二幕 
2006.05.20.Sat / 07:22 
先ほどから大丈夫か大丈夫かとしか聞いてこなかった鮎と剣信をなんとか宥め、今は教室棟一階を歩いていた。
窓辺からは沈みかけの夕陽が見え、空は橙と薄紫のグラデーションを奏でている。
「でもさ、よく一人で捕まえれたねー」
と鮎が小首を傾げ下から覗き込んで来て言う。
…実際僕自身でも何で捕まえられたのかが解んないよ。
「変なみことだー」
仕方ないなぁ、とでも言いたげな表情。
いつの間にか氷漬けにされたと思ったら、今度はいつの間にか相手が氷漬けだった、としか言えないのだがさすがに憚れる。
その言葉は甘んじて受けよう。だが校舎で虫取り網を振り回す奴には言われたくないぞ。

この校舎に飛び込んできた時の渡り廊下へ繋がる扉の前に立つ。
比較的長身の剣信でさえ楽々潜り抜けることが出来るだろう大穴が開いていた。
「…怒られたらお前のせいだからな。」
僕は右手に掴んだ色褪せた漆黒の『剣』を睨む。心なしか申し訳無さそうに一度回路に緋色の光が走った。


        ●        ●        ●

「風がきもちいいー♪」
「だなぁ…。」
「同感だ。」
中庭にある小高い丘へ川の字になり仰向けになる。
薄紫色のまだ明るさが残る空には雲が緩やかに流れていた。
一時間ほどぶっ続けで走った事もあり、現在進行形で悲鳴を上げている体に急に訪れた休息。
出来ればこのまま眠りたいがそうはいかない。
まだ肝心の仕事の『本』の回収がある。
もしこのまま放置すれば『海賊』や『剣』の様な被害が出続けるだろう。
それは何としても回避したい。
何一つ情報は無いが鮎も剣信も手伝ってくれると言うので不思議と心配ではなかった。
左蔵は…正直心配だけど。

『ヘイ、キミ!この世で大事なもの、何だと思う?』
突如男の声が聞こえた。
ドラマで見たことがある。キザ役の男のしゃべり方だ。
「まさか…剣信じゃないよね?」
「違うが。」
「…鮎、でも無いよな。」
「ボクは鈴が鳴るような美声だろ!」
「………。じゃ、気のせいか。」
あと少し、体を休めたい。そう思い草の匂いのする大地に再び横になり目を瞑る。

『ちょっと!!無視かい!?』
「うっさいなぁ…、誰だよ?」
目の前に居ました。
臼く黄緑が入った西洋風の甲冑を着た男が腰に両手を当てた仁王立ちの姿勢で構えて。
一目で関わってはいけない人だと解るが、さらにプラスアルファの変態要素が追加されている。
「…う、浮いてるよこのヘンタイ!!」
「鮎…指差しちゃいけません、とゆーか見ちゃいけません。」
そう、先ほどの暴走中の『剣』のように浮いていた。地面からは一メートル程だろうか。

「あの…この『剣』の関係者ですか?」
恐る恐る先ほど捕獲した剣を見せる。
『バルザイじゃないか?そんなのとオレを比べないで欲しいね!』
バルザイと呼ばれた剣の回路に赤い色宿る。
拙いか、と思ったが暴走はしないようだ。一先ず安心し、
「…バルザイ?」
『バルザイの偃月刀じゃないか?ただの魔術媒介道具と一緒にしないで欲しいね。そりゃオートである程度の魔術を使えるだろうが、オレには屑みたいなもんさ。』
あからさまに肩を竦ませて腕を曲げ、両手の平を天へ向ける。やれやれとでも言いたそうだ。
あ、バルザイの偃月刀が振動してる。

『バルザイ如きでも従えたって事はニンゲンにしては中々やるものだね!』
左手を腰に当て右手の人差し指で刺さんとばかりに向けてくる。
いちいちアクションが大きい奴だ。
剣信ならまだしも、あの鮎でさえちょっと引いてるぞ。
 
『で、さっきの質問さぁ!この世で大切なもの、なんだと思う?』
僕を指していた指を今度は自分の外耳のある場所を補佐するように当てて腰を曲げる。教育番組のお姉さんか。
「…友達?」
どうやら僕に聞いたらしいので答えてみた。咄嗟だったので恥ずかしい言葉を言っちゃったじゃないか。
すると薄緑の西洋甲冑、

『否!答えは「自分と戦うこと」さ!』
頭が痛くなってきた。
横を見れば鮎も剣信も多分似たような心境だろう。見えはしないが僕も同じような表情をしているだろうから。

『おっと申し遅れた。オレは「ハスター」。H・a・s・t・u・rで「ハスター」だ。風を統べるもの、と呼ばれたり呼ばれなかったりだ。』
覇道学園広し、西洋甲冑を着込むぐらいの奇人は居るだろうが、流石に飛行能力は無いだろう。
また『本』の持ち主がやらかしたか。畜生誰だ。

『ま、正直オレは退屈でね。ちょいと遊びはしないかい?』
甲冑が両手を銃のように形作り、腕を伸ばし両方で指差してくる。お前来年消えるぞ。
「よし、充電完了。『本』探ししゅっぱーつ!」
「おーっ!」
「…ん。」

『ちょ、待ちたまい!そ、そうだ!オレに遊びで勝ったらその『本』の持ち主、教えてもいいよ!どう!?』
「どうしよう…部室棟でも回ってみるか?」
「んー、そこしかないかぁー…」
「解った。」

『よし!もう居る場所も教えるよぅ!どうだい!?』
なんだコイツ、寂しいのか…。ちょっと悪いことしたかも。
だか此処まで破格の提示をさせたんだ、遊ぶくらいで情報が貰えるなら多少時間は割いても良い。まぁ、勝てるかどうかは別として。
「仕方ないなぁ…ちょっとだけだぞ?で、何の遊び?」
「ぇーっ…」
「………。」
鮎がまだ渋る。うわ、剣信のこんな嫌そうな顔初めて見たかも。
嫌だろうな、僕だって嫌だ。でもすまない、情報はやっぱ欲しい。

『ありがとう!そこでさっきの話!…なんでこんなに回り道したんだろう…まぁいいか!「自分と戦うこと」を感じれる遊び、それは「徒競走」さ!』


        ●        ●        ●


僕たちは校庭へ移動した。
陸上部が使った後の、ラインカーで白く引かれた立派なトラックがあるのでそれを使わせて貰う為だ。
なんとか鮎と剣信を説得しハスターの遊びに付き合ってもらう事にした。

ハスターが言うには100メートルを走り早く、より早くゴールへ着いたものが勝ち。
これだけならスタンダードな徒競走だろう。
だがハスターが提示したルールは他にもあった。

①ニンゲンチームは二人が走者、一人はゴール判定審判になること。
②ニンゲンチームはどんな妨害も可。ハスター側からは手出しはしない。
③但し、魔法による妨害は一度まで。
④ハスターは6秒の間ハンデとしてスタート地点に待機。

というものだ。
四番は破格とも思えるが
『オレの100メートル走のベストは…3.8秒だ』
と言う発言により鮎がやる気を無くし無理やり、というかハスターが勝手に付け足したものだ。
だが、6秒猶予があったとしても勝つには少なくとも100メートルを9.8秒以内に走らなくてはならない。
当然金メダルレベルなのは言うまでも無い。
妨害といっても相手は変態だが太古の昔、宇宙開闢の頃は風を統べてブイブイ言わせていたらしい。勿論本人談。
そんなヤツに目潰しやら投石やらはまず確実に意味が無いだろう。
効果があるとすれば魔法の類。これは回数が一回と限定されているだけありまず間違いない。
この戦いは魔法の使い方でどう時間を稼ぐかだ。

本当はスポーツマンシップとやらで正々堂々と戦うべきだろうが、相手は人間じゃないし、常識外の速さと格好だし。
それに『本』の情報もあるので奇麗事は言ってられない。
悲しいけど、これ戦いなのよね。


『そうそう、後で言い訳されたくないから言っておくよ。キミ、「ニトクリスの鏡」も持ってるね。』
緑の鎧ヤローが僕に指差し言う。
『後ろポケット。魔力がだだ漏れさ。オレには解る。その使用者と対象者を「位置逆転」する魔法だが、期待するのは良くないよ。オレが走ってる途中に逆転となるとニンゲンじゃまず壊れるだろうね。』

後ろポケット?
指摘され弄るとメモと共に古ぼけた鏡が一つ。これは左蔵が拾ったという物だ。
これに使用者と対象者が『位置逆転』する魔法がかかってる?
確かにそう言われれば心当たりは無いことは無い。
先ほどのバルザイの偃月刀に斬られそうになった時、立場が逆転したのがそれだ。
あの時、左蔵から渡されなければ…悪寒が走った。

っと今は徒競走のことだ。
100メートルを約4秒で走るヤツだ。世界新の2倍は速い。
そんなスピード出してる最中に逆転なんかしたら幾ら運動神経が良いヤツでも良くて転倒、悪くて死だろう。
ニトクリスの鏡は使うべきではない。
となるとバルザイの偃月刀に頼る…か。
だがある程度の魔術はオートで使えるらしいが何が使えるのかが解らない。

「みことって100メートル何秒だっけ?ボクは11.6秒で、けんしんが12秒だってさ。」
「……二人に任せた。」
剣信はスポーツ万能なので文句なし。鮎は万能とは言えないが、悪くは無い。
だが飛びぬけて走るのだけは異様に速く、剣信にも引けは取らない。
となると自動的に僕が審判となるわけだ。

「…命。その鏡は誰でも使えるのか?」
剣信が言う。
「正直解らない。でも、使えたとしてもさっきハスターが言ったとおり、走行中は危ないぞ。」
「大丈夫、問題ない。」
「でも…。」
剣信がそっと歩み寄ってきて僕に耳打ちをした。
「あっ…!それなら!」
「信じていてくれ。」
「当然!…でも、無理はしないでよね。」
僕はニトクリスの鏡を剣信に渡した。
ふと片手に持ったバルザイの偃月刀を眺める。
「ごめんなー、アイツを見返してやりたかったよな?あんなこと言われてさ。」
回路に紅蓮の光が奔る。
「でも、代わりに僕らが仕返ししてやる。絶対だ。」
また一度、光が奔った。

「ま、僕は審判なんだけどね…」
慰めるつもりなのか、バルザイが微かに揺れる。





△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

ぇー、途中まで書いたらパソコンが謎の再起動。
勿論保存はしていなく、全部消えました。ヴァー。

それはそれとして死にたいわけですが、
主観表現にハマりました。

確かにスラスラ書けるし、コメディには向いてます。
でも小説としてのスキルはいまいち上がんない気ががが。
ちゃんと風景描写とかもやんないと、いざ俯瞰に戻ったときが大変だ…。

でも、面白いねん…(ひ
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テーマ:自作小説(二次創作) - ジャンル:小説・文学
COMMENT TO THIS ENTRY
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あるよね…
マジで勘弁。

長くなっちゃうから仕方なくだったんだからねっ!

- from 雪都 -

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なむ・・・
まぁ私もその手のミスはブログでよくやってたな・・・
急に再起動したりはしてないけど・・・

しかしいいとこできりますな
続きが気になるじゃないか!!
しかしいきなり徒競走とはハイセンスな香り

- from らら -

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